【東松戸から車で約15分】市川市場「キッチンパズル」完全ガイド!必食チャーシュー丼&餃子、最強トッピング術も

千葉県市川市の市川地方卸売市場に、食通たちを唸らせる名店「キッチンパズル」があります。元々はそれぞれ別の人気キッチンカーを運営していた夫婦が、その腕と人気メニューを持ち寄って開店したこの店は、オープン直後から多くのファンを獲得しています。
この記事では、キッチンパズルの代名詞である絶品チャーシューや、手作りのパワー餃子、船橋産のブランド食材を使った料理など、こだわりのメニューを徹底的に解説。二つの専門店が一つになった「キッチンパズル」という店名の由来や、店が根差す市川市場の歴史と役割にも光を当てます。訪れる前に知っておきたい情報を網羅しました。なぜこの市場食堂が人々を惹きつけてやまないのか、その秘密に迫ります。
市民の台所に佇む、知る人ぞ知る美食の拠点「キッチンパズル」
千葉県市川市、地域の食生活を長年支えてきた「市川地方卸売市場」。ここは観光地化された市場とは異なり、プロの目利きたちが新鮮な青果や美しい花々を取引する、活気に満ちた専門的な空間です。
この市場の歴史は古く、1972年(昭和47年)に市内に点在していた青果市場などが統合されて開設されました。以来、半世紀近くにわたり市川市民の「台所」として機能し続け、2018年(平成30年)には時代の変化に対応するため民営化。これを機に、一般の人々も楽しめるイベント「いちかわごちそうマルシェ」が開催されるなど、より地域に開かれた場所へと進化を遂げています。
参考: 市川地方卸売市場 公式サイト
そんなプロの仕事場の一角に、今回ご紹介する「キッチンパズル」は静かにその暖簾を掲げています。大きな看板はなく、一見すると昔ながらの市場食堂といった風情。しかし、その扉の向こうには、訪れる者を虜にする「隠れ家レストラン」と呼ぶにふさわしい、こだわりの食体験が待っています。

店舗基本情報:訪問前にチェック
- 店名: キッチン パズル (Kitchen Puzzle)
- 所在地: 〒272-0015 千葉県市川市鬼高4-5-1 市川地方卸売市場内
- 電話番号: 047-711-3509
- 営業時間:
- 火・木・金・土・日: 11:00~15:00 (L.O. 14:30), 18:00~21:00 (L.O. 20:30)
- 水: 11:00~15:00 (L.O. 14:30)
- 定休日: 月曜日
- 席数: 20席(カウンター8席、テーブル12席)
- 駐車場: 有り(市場の駐車場を利用。詳細は店舗にご確認ください)
- 公式情報: Instagram: @kitchen__puzzle
パズルの作り手たち:二つのキッチンカーが紡ぐ物語
キッチンパズルの温かな雰囲気と料理のクオリティを支えているのは、店を切り盛りする若きオーナー夫妻です。彼らの丁寧で心のこもった接客も、この店の大きな魅力の一つとなっています。
特筆すべきは、二人がそれぞれ別の人気キッチンカーのオーナーだったというユニークな経歴です。これは単なる過去の職歴ではなく、現在のキッチンパズルの成功を支える重要な土台となっています。
旦那様が運営していたのは「焼豚専門店 ポーテンダー」。その名の通り、チャーシューに特化したキッチンカーで、数々のイベントで長蛇の列を作っていました。現在、店の看板メニューとして不動の人気を誇る絶品チャーシューは、このキッチンカー時代に試行錯誤を重ねて完成された、まさに技術の結晶なのです。
一方、奥様が腕を振るっていたキッチンカーが「パワー餃子」。その名の通り、パワフルでジューシーな餃子で多くのファンを魅了しました。現在の店の人気メニューである、タレなしでも美味しいと評判の餃子は、このキッチンカー時代のレシピと情熱を受け継いでいます。
つまり、「キッチンパズル」はゼロから始まった店ではありません。二人の料理人が、それぞれの専門店で磨き上げた最高の技術と人気メニューという「ピース」を持ち寄り、一つの店舗として完璧に「組み立てた」場所なのです。厳しいキッチンカーの世界で既にお墨付きを得ていた実力が融合したからこそ、オープン当初から多くの客を惹きつける、圧倒的な魅力が生まれたと言えるでしょう。
生産者の顔が見える一皿:地域のテロワールを味わう

キッチンパズルの料理が持つ説得力の源泉は、徹底した食材選びにあります。単に美味しいだけでなく、食材が持つ物語、とりわけ生産者の顔が見える超地域密着型の食材を積極的に採用し、その価値を最大限に引き出しているのです。
味の柱となる生産者と食材
食材 | 生産者/供給元 | 所在地 | 特徴 |
---|---|---|---|
米 | Hirayama Rice Farming | 栃木県那須町 | 四季の寒暖差が大きい那須の自然で育まれた、甘みと旨味の強いお米。 |
小松菜 | ひらの農園 | 千葉県船橋市 | 「船橋ブランド小松菜」の第一人者が育てる、味が濃く風味豊かなブランド野菜。 |
卵 | 押木養鶏場 | 千葉県船橋市 | 高級洋菓子店も御用達のプレミアム卵「紅孔雀」で有名な、こだわりの鶏卵。 |
これらの厳選食材を全てのメニューで贅沢に使用することで、シンプルな料理も非凡な一皿へと昇華させています。
至高のメニュー分析:定食、丼、トッピング…食のパズルは無限大
キッチンパズルのメニューは大きく分けて「定食」「丼・飯物」、そしてそれらを無限に進化させる「トッピング」で構成されています。
選び抜かれた王道【定食メニュー】

食事の基本となる定食は、いずれもご飯、みそ汁、小鉢付き。その日の気分で選べる盤石のラインナップです。
- パワー餃子定食 (950円): 奥様の店の歴史を継ぐ、もちもち食感の餃子が主役。
- 唐揚げ定食 (1000円): 大ぶりでジューシーな、定食の王様。
- ひらのさんの小松菜と押木さんの卵炒め定食 (1000円): 店の哲学を最も象徴する、ブランド食材の共演。
- レバニラ炒め定食 (1100円)、生姜焼き定食 (1200円)、チキン南蛮定食 (1000円〜) など、心もお腹も満たされる盤石の布陣が揃います。
もう一つの主役【丼・チャーハン・カレー】

旦那様「ポーテンダー」の魂は、こちらの飯物メニューでこそ真価を発揮します。
- 焼豚2種盛丼 (1100円): この店を訪れたなら必食の一杯。とろける「肩ロース」と、しっとりした「低温調理」の2種類のチャーシューが合計4枚も乗った、まさに夢の丼です。旦那様の店の歴史がこの一杯に凝縮されています。
- 焼豚チャーハン (1000円〜): ゴロゴロ入ったチャーシューの旨味が米一粒一粒に絡みつく、王道の美味しさ。
- 大判唐揚げ黒カレーライス (1300円): 人気の唐揚げと、コク深い黒カレーの最強タッグ。ボリュームも満点です。
究極のカスタマイズ【トッピング&単品メニュー】

ここからがキッチンパズルの真骨頂。定食や丼を注文した人だけが、自分だけの一皿を完成させるための多彩なピースを追加できます。
- 2種の焼豚 (各100円): どんな定食も、わずか100円で絶品チャーシュー付きにアップグレードできます。
- 唐揚げ (100円)・揚げ餃子 (100円): 気になるメニューを1個から試せる嬉しいオプション。
- ちょいがけ黒カレー (100円): 定食の途中で味を変えられる、魔法のアイテム。
このように、まず基本となる定食や丼を選び、そこにお好みで最高のピース(トッピング)を加えていく。これこそが、現在の「キッチンパズル」が提供する、最高の食体験なのです。
アクセス情報
車でのアクセスが便利です。市場内に広大な一般客も利用可能な駐車場が完備されています。
電車の場合は、JR総武線「下総中山駅」北口から徒歩約15〜20分です。
結論:すべてのピースが揃った、究極の市場食堂

「キッチンパズル」は、単に美味しい定食が食べられる店、という言葉だけでは語り尽くせません。
- 人(The People): それぞれが専門店を極めたオーナー夫妻の、類まれなる技術と情熱の融合。
- 場所(The Place): 市川地方卸売市場という立地を最大限に活かし、市場の活性化にも貢献する共生関係。
- 生産者(The Producers): 地域の優れた生産者をリスペクトし、その物語ごと料理に昇華させる揺るぎないこだわり。
- 物語(The Story): 二つのキッチンカーが一つの店になるという、店名に込められたユニークな背景。
これらのピースが見事に組み合わさって、一つの完成された体験を生み出しています。それは、地域コミュニティと深く結びついた、現代における飲食店の理想的な姿の一つと言えるでしょう。
わざわざ訪れる価値のある目的地でありながら、誰もが気軽に立ち寄れる温かさも併せ持つ。この究極のパズルを解き明かしに、ぜひ一度、市川地方卸売市場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。